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インタビュー

平成29年度時差Biz推進賞-プロモーション部門受賞

平成29年度時差Biz推進賞

プロモーション部門受賞

エス・エー・エス株式会社

受賞理由

クロスチャネルによる多方面への啓蒙活動を実践した。具体的には、一般社団法人東京都情報産業協会の会合等で東京都の意向や時差Bizの意義を訴え普及に努めるとともに、顧客、協力会社に、営業責任者を主体として時差Bizの参加を呼びかけた。また、従業員に対し代表自ら意義等を直接訴えかけた。この他、快適通勤プロモーション協議会における時差Biz宣言を行い、SNSで拡散させるとともに、テレビ番組で有益性を含めた取組内容を紹介した。

「金融・流通・クレジット」分野のシステム構築を基盤とした各種ITソリューションや、クラウドコンピューティングを活用した、勤怠・給与・人材管理サービス、テレワークの導入支援などを進めているエス・エー・エス。もちろん自社でもテレワークを進めるほか、ライフ・ワーク・バランスを意識した、働きやすい環境づくりに注力している。そんな同社は時差Bizの趣旨に賛同し、その意義を多くの企業に広めていった。自社の時差Bizの取組を進めるとともに、積極的なプロモーション活動を進めた、青山秀一代表取締役にお話を伺った。

時差Bizに参加した目的

代表取締役 青山 秀一様
代表取締役
青山 秀一様

「すべては笑顔のために」を会社の基本コンセプトとして、「常に質の高いサービスを提供し、会社のスキルアップを通じて、SAS全メンバーの生活水準の向上を図ると共に社会の笑顔に貢献していく」を経営理念に掲げている同社は、以前から働きやすい環境づくりに積極的に取り組んできた。そして、平成22年度には、長時間労働削減取組部門で東京都のワークライフバランス認定企業となっている。
「創業当初からワークとライフの充実を考えてさまざまな取組を実践していましたが、IT業界は残業が多いイメージですし、事実、当時は当社も残業時間が多かったですね。それを何とか改善しようと全社で長時間労働の削減に取り組みました。実績を積み重ねて長時間労働削減取組部門での認定企業となるまで3年かかりましたが、努力の甲斐があったと思います」(青山代表)
その取組の中心となったのは、自分たちで手を挙げて集まった社員で構成された、ワークライフバランス推進チームだ。
「当社の特徴はトップダウンではなく、社員の意見を尊重していく風土です。何か問題や課題があれば社員が中心となって社内アンケートをとるなど、社員主導で進めていきます」(青山代表)
ワークライフバランス推進チームは、定期的に「ワークライフ通信」を発行するなど、社内の啓蒙活動を進めている。そんな同社にとって、時差Bizのコンセプトには共感する点が多く、時差Bizが推進する時差出勤やテレワークによって、ライフ・ワーク・バランスがさらに実現しやすくなるという思いから、時差Bizに参加したという。

具体的な取組内容

本社で働く社員の皆様
本社で働く社員の皆様

「時差Bizは本当に素晴らしいムーブメントだと思います」と言う青山代表は、自身のネットワークを使って、積極的に時差Bizのプロモーション活動を進めた。自身が理事を務めた経験もある、一般社団法人東京都情報産業協会の会合等で、時差Bizの意義や必要性を訴え参加を促した。また、お客様やビジネスパートナー様にも担当者から声をかけるようにした。その結果、多くの企業の時差Biz参加が実現したという。もちろんプロモーション活動だけでなく、自社の取組にも力を入れている。時差Biz期間中には、同社初めての試みとして、通常9時半の出勤時間に8時、11時を加えた3つの時間帯から選択できる時差通勤を取り入れた。時差通勤を利用した社員からは「通勤が楽だった」という声が多くとても好評で、今年の7月からは制度として本格導入するという。また、以前から力を入れていたテレワークについても、昨年の第2回快適通勤プロモーション協議会での「テレワークと時差Bizをぜひとも推進していきたい」という宣言通り、期間中の推進のみならず、今年もさらに充実させていく考えだ。
「希望者には、しっかりとセキュリティ対策を施した高スペックのパソコンを貸与して、ストレスなくテレワーク勤務ができるようにします」(青山代表)
なお、同社はビジネスとしてもクラウドサービスを活用したテレワーク導入支援を行っており、導入企業から高い評価を得ている。

時差Bizに期待すること

昨年の時差Biz集中取組期間終了後も、協会活動や講演会などで機会があるごとに時差Bizに触れている青山代表は、「まだまだ、時差Bizの認知度が低いように感じます。認知度を上げるためにも、様々なところに働きかけていきたいと思っています。東京都にも引き続き、プロモーションに力を入れていただきたい」と力強く語る。また、お客様にも昨年以上に声をかけていくつもりだという。同社には本社勤務の社員だけでなく、お客様先に常駐して一緒に仕事をする技術者も多い。そうした技術者に対して自社の制度を適用するための浸透策を展開中だが、そもそも常駐先のお客様が時差Bizに参加されれば、双方にとってベストな解決策になっていく。ライフ・ワーク・バランス実現のために、今年も時差Bizに力を入れるという青山代表は、「我々、中小企業もがんばりますが、影響力をお持ちの大手企業にぜひ参加して欲しいです。大手企業が参加することで、一気に参加者が増えると思います」と、より多くの企業が時差Bizに参加することを期待して話を締め括った。

IT業界No.1の福利厚生を目指す

笑顔満載の各イベントの様子をまとめたオリジナルカレンダー
笑顔満載の各イベントの様子をまとめたオリジナルカレンダー

働きやすい環境づくりのために、テレワークや時差出勤制度の充実を図る同社だが、野球部やフットサル部、フォト部などのクラブ活動も盛んだ。また、ご家族や恋人も含めた社員旅行(5年に1回は海外)や、社員が企画したイベントの費用支援などをはじめ、さまざまな制度を導入している。特に社員に好評なのは、管理職がエスコート役となって、その月に生まれた社員を招待しディナーまたはランチを共にするという「バースディディナーorランチ」。まったく違う部門の社員との交流も生まれ、社内のコミュニケーションも活性化しているという。共に成長し、笑顔のたえないすばらしい人生を過ごしてもらいたいとの想いでIT業界No.1の福利厚生を目指すという同社は、ワークだけでなく、ライフに関する制度の充実にも注力している。