柳澤 正拡さん
外資系製薬メーカー勤務
50代/3人家族
通勤時間:約1時間
勤務先:ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社(品川区)
職種:専門職(法務知的財産関係)
家族構成:妻、子供(社会人)
長女、長男はすでに独立。長女には子どもがいて、既におじいちゃんです。趣味はスポーツ観戦。最近の日本人の活躍には、大いに気持ちが沸き立ちますね。
突然の病。
けれど選択肢の多い「柔軟な働き方」に助けられて今がある
平成29年3月から、段階的にテレワーク勤務のパイロットをスタートさせていたベーリンガーインゲルハイム ジャパングループ。それは柳澤さんにとって、まさに「渡りに船」な出来事だった。前年に病気を患っていることが判明、治療のために休職するか、最悪の場合退職するか――そんな悩みを抱いていた時期だったからである。時差Biz期間とほぼ同時期に、所属部署でもテレワークのパイロットが実施されることを知った彼は、即座に制度の活用を決意。それにより、望んでいた「治療を行いながら仕事も続ける」ことが可能となった。
時差Bizを経験して得られたこと
完全型在宅勤務、コアタイム無しの完全フレックスタイム制度など、社員が柔軟に働くための諸制度が充実している当社ですが、私が主に活用しているのは、コアタイムのない完全フレックスタイム制をベースとした時差通勤と、テレワーク勤務です。私は、月曜~木曜は時差通勤、金曜はテレワークというのが現在の主な勤務スタイルで、通勤によるストレスは、明らかに激減しましたね。病気が見つかってから活用し始めたテレワークは、特に役立っていると言えます。集中治療が始まると、およそ一ヶ月は遠方の病院に通院し続けなければならなかったため、この制度がなければ普段通り仕事に従事し続けることはかなり難しかったでしょう。 朝型の私は、時差通勤時には6:30頃から、通勤しない自宅でのテレワーク時には7:00頃から業務をスタート。状況にもよりますが、だいたい16:00頃には仕事を終えています。人の少ない朝はやはり集中しやすく、仕事もはかどりますね。そして午後は社内外の関係者と打ち合わせをしたり……。二つの制度を活用するようになっておよそ1年、自分なりの仕事のペースができあがってきた気がしています。
時差Bizで実現したいこと
基本的には個人で担当案件を抱え、業務を行っている私ですが、時差通勤やテレワークを活用し始めてみると、フェイス to フェイスで意見を交換しあうことの重要性を再認識するようになりました。出勤しているときは同僚がすぐにつかまるので問題なく対話できますが、テレワーク時には少しだけ勝手が違います。関連する書類や資料を手元に集め、相手方の業務の進捗、空き時間などにも配慮して連絡しています。誰かと対話するにはしっかりとした事前準備が必要だということを、今更ながらに強く意識するようになりました。そのほか、自宅で仕事をするとある種のリラックス感が生まれることにも気づきました。気持ちに余裕ができると、仕事に関するさまざまなアイデアも浮かんできたりする。今後はそれを仕事に組み込んで、業務の効率化、確かな実績づくりへと結びつけていきたいと考えています。 プライベートでは、家庭の用事にいろいろと関わるようになりました。役所に行って何かの手続きをするなど、以前なら半休・有休を取らなければできなかったことが、現在は自分で時間をコントロールすれば簡単にできるようになったからです。これは特に、我が家のように家族全員がフルタイムで働いている家庭にとっては大きなメリット。ときには社会人の娘から「クリーニングに出した服を引き取ってきて!」などと頼まれることもありますが(笑)。週に一回私が自宅でテレワーク勤務していることで娘とも会話が増えましたし、あらためて家族の繋がりを感じている。こういった意味でも、この勤務スタイルを今後も続けていきたいですね。
これから時差Bizに参加する方に
昨年から当社で正式導入されたテレワークの社内活用度は、なかなか高いように思います。私の部下も月に2~3回はテレワークを使い、まだ小さな子供の用事をすませるようにしているようです。他部署の社員もそれぞれの生活に合わせて、必要なときに制度を活用、仕事の能率を上げているように見受けられます。 企業によって環境はさまざまだとは思いますが、重要なのは制度における「選択肢」が多数用意されていることなのではないでしょうか。個々人のライフスタイルはそれぞれ異なりますし、育児や介護、私のように病気など、私的な事情を抱えた社員は多いはずです。面倒な申請をすることなく、必要とあればすぐに使える制度が複数整備されていると、働くことに対する安心感が得られます。当社の制度から感じるのは、確かなアウトプットさえ確保できれば、働く時間や場所はいっさい問わないといった柔軟な会社の姿勢です。それは社員に「信頼されている」という実感を与えてくれますし、結局のところ、QOLの向上や会社への貢献にもつながっていく重要な要素になるのではないでしょうか。そしてそんな環境を整えるためのきっかけとなるのが、時差Biz等の取組への参加ではないかと考えます。