当日のプログラム
第Ⅰ部
第Ⅱ部
11月27日(火)、晩秋とは思えない暖かさの中、「第5回 快適通勤プロモーション協議会」が、
都庁第一本庁舎大会議場において開催された。
7月9日(月)~8月10日(金)の夏の時差Bizに参加した企業・団体のうち、
応募のあった中から選定された「時差Biz推進賞」受賞企業・団体の表彰や、受賞企業の講演・交流が予定されており、
受賞企業の担当者の表情からは喜びと緊張が感じられた。
受賞企業・団体の取組紹介
司会者の発声とともに、時差Biz参加企業・団体が集まっての「第5回快適通勤プロモーション協議会」がスタートした。協議会は2部構成で、まず第Ⅰ部では、「時差Biz推進賞」ワークスタイル部門を受賞した11の企業・団体に各社5分程度で順に自社の取組内容について講演いただいた。各企業・団体の発表概要は以下の通りである(発表順)。
- ●コクヨ株式会社 経営管理本部 人事総務部 統括部長 口村 圭様
社員自身が楽しく働き続けるための新しい働き方を考える「ワクワク、スマートワーク」をテーマに、コアタイムなしのフレックスやテレワークを実践。ガイドブックやICTツール勉強会などでテレワーク初心者をサポート。ワーク時間が減少しライフ時間が増加、通勤ストレスが軽減した。 - ●CJジャパン株式会社 人事チーム長 柏木 理恵子様
時差Biz期間に合せて、既存の時差勤務制度を拡大し利用を推進。同時にスケジュール共有、コミュニケーション促進のため、ビジネスチャットツールを導入した。結果的に、時差勤務取得率が大幅に増加。94.6%の社員が時差勤務の継続を希望し、来年から制度改正してさらなる促進を図る。 - ●株式会社JR東日本マネジメントサービス ヒューマンリソース部・課長 山下 侑史様
社員がイキイキと活発に仕事ができる理想的な職場づくりを目指して、「テレワーク制度の導入」「早朝手当の導入」「服装の自由化」など取組を積極的に推進した。期間中73%を超える社員が時差出勤を1回以上行った他、テレワークなどの制度利用を促した。冬の時差Bizもより多くの制度利用を目指す。 - ●株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル 総務部総務チーム総務担当マネージャー 鈴木 貴仁様
勤務シフトを10パターンに増やした「変形シフト」の利用を促進。変形シフトの利用で生まれた時間を有効活用するため、各事業のプロフェッショナル社員が講師となり「朝活セミナー」「夕活セミナー」を実施した。社内知見の共有とコミュニケーション活性化においても大きな成果を収めることができた。 - ●シックス・アパート株式会社 代表取締役 古賀 早様
出社義務がなく、自由な場所で働ける制度「SAWS(Six Apart Working Style)」を実施。あらゆる職種で、クラウドシステムを活用し業務タスクや進捗を可視化。制度を活用して地方に移住した社員もいる。また、テレワークが地方創生に有効と青森県とのプロジェクトもスタートさせた。 - ●損害保険ジャパン日本興亜株式会社 人事部 企画グループ リーダー 龍岡 望様
テレワークや9パターンのシフトから選択できるシフトワークを実践。期間中は「ワークスタイルイノベーション推進月間」を展開する他、生産性向上のアイデアコンテスト「Ji-Tan(時短)フェス~夏フェス~」を開催し、社員の意識向上を図り自発的な参加を促した。 - ●東京急行電鉄株式会社 人材戦略室 労務厚生部 統括部長 下田 雄一郎様
分散出社として7時30分から10時30分までの出社を推奨した他、テレワークによるオフピーク通勤を推奨。テレワークは自社の会員制シェアオフィスとの連携で利用促進を図る。また、連結子会社40社と連携し、グループ全体での「恒常的な」時差Biz実施の促進を図った。 - ●豊島区 総務部人事課 人事課長 小野寺 悠太様
時差勤務の拡充と在宅勤務型テレワークの試行を実施した。時差勤務は、「理由を問わず」かつ「日単位」での利用を可能とすることで、積極的な利用を促進。テレワークは、将来的な正式導入を見据え、制度面や運用面での課題を集約した。今後も時差Bizに参加し、率先して働き方改革に取り組んでいく。 - ●日本航空株式会社 人財本部 人財戦略部 部長 福家 智様
時差Biz期間に7時15分から8時までの間、数量限定でコーヒー、バナナ、栄養補助食品を無料提供し、時差出勤を推奨。テレワークについては利用回数などの規程を改定し利用を促進した。その結果、オフピーク通勤を実施した社員が約72%となり、前年の50%から大幅に増加した。 - ●株式会社パソナテック 人事部人事企画グループグループ長 山本 浩之様
7月・8月の2カ月を「テレワーク推奨月間」として全社員対象のキャンペーンを実施。出勤時間を7時~13時の中から1時間単位で選択可能なシフト勤務を推奨した。推奨月間中は、コミュニケーションツールなどを活用し、出勤のタイミングが違う人同士の情報共有を円滑にし、効率アップを図った。 - ●ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 代表取締役 北島 敬之様
2016年7月から働く場所・時間を社員が自由に選べる、独自の新しい働き方「WAA(Work from Anywhere and Anytime)を導入。ITツール導入など、社員の声を反映しながら全社で推進を図っている。社内で実施したアンケートでは、生産性が上がったと考えている社員が75%いることが分かった。
各企業・団体とも資料をステージ上に投影し、特色ある制度や取組にあたり工夫した点、残業時間の縮減など取組の成果をわかりやすく説明した。冬の時差Bizの取組および、将来に向けた働き方改革への意欲が感じられた。
受賞企業・団体ブースで情報交換
こうして全企業・団体の発表が終了し、第Ⅰ部は幕を閉じた。第Ⅰ部と第Ⅱ部の間の休憩時間を利用して、ロビー横のレセプションホールに設置された、「時差Biz推進賞」受賞企業・団体のブースで、参加者同士が交流を行った。
ブース参加者は受賞企業・団体の制度に関する資料に目を通すほか、今後の自社の時差Bizの取組や働き方改革の参考にしようと、受賞企業・団体の担当者に制度導入のポイントや、アプリなどのツールのカスタマイズについて積極的に情報交換していた。
小池知事の挨拶
第Ⅱ部がスタートし、最初に小池知事から挨拶があった。
「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功の秘訣は、交通をマネジメントしていくこと」として競技のスケジュールに合わせて交通混雑の状況を予測する『大会輸送影響度マップ』を紹介。「交通混雑緩和の一環として、東京都は時差Biz、テレワークの両方から働き方改革に取り組んでいる。いかにして快適な通勤、快適な経済活動を円滑に行うかという2つの命題を一気に解決していくことが重要。」と時差Bizの意義を語った。「現時点で891社の企業・団体に参加していただいている。まずは1000社を目標に参加企業を増やしていくと同時に、来年1月には冬季の時差Bizも実施する。皆様の協力に感謝するとともに、これからも皆様と協力して盛り上げていきたい」という力強い言葉で、挨拶を締め括った。
時差Biz結果報告
小池知事の挨拶に続き、都市整備局理事 中島高志から時差Biz結果報告があった。
今年、参加企業は昨年の2.5倍、参加人数は3倍の約18万人となったことやアンケート結果から、企業・団体は「制度の活用促進・社内浸透に貢献した」、個人では「自分自身の働き方を見直すきっかけになった」といった声が多く挙がったこと等、様々な角度から報告を行った。
また、各駅の混雑の状況をグラフで紹介し、混雑が分散している傾向があったことを示した。多くの人がメリットを感じている時差Bizを今後も拡大していくために、冬の時差Bizへのさらなる協力を呼びかけ、発表を終えた。
続いて、司会者から今回の「時差Biz推進賞」受賞企業・団体の発表があり、第Ⅰ部で紹介されたワークスタイル部門受賞企業に加え、プロモーション部門受賞企業が紹介された。
選定委員長による講評
受賞企業・団体発表に引き続き、時差Biz推進賞選定委員会委員長の事業構想大学院大学 学長 田中里沙様から講評をいただいた。
思い切った制度改革や新機軸のテレワークの導入、企業のトップや幹部の率先した活動など素晴らしい取組が多く選考に苦労したこと、惜しくも受賞にもれた企業にもキラリと光る取組があったことなどが紹介された。さらに各社が働き甲斐を考えた制度改革を進めており、今後に向けた新たな可能性を実感しているとともに、時差Biz参加企業・団体が増えることへの期待をもって、講評を締め括った。
表彰式と記念撮影
続いて、受賞企業・団体の表彰式が行われた。
受賞企業・団体には、ワークスタイル部門、プロモーション部門とも表彰状と盾が贈呈された。各企業の代表者とも喜びにあふれる笑顔で小池知事から表彰状、盾を受け取っていた。また、松本零士特別賞受賞の「株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル」「コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社」の2社には表彰状と盾に加えて、松本零士様より直筆の絵が贈呈された。表彰終了後、小池知事、松本零士様、田中里沙様を中心に受賞企業・団体の代表者が壇上で整列し、記念撮影が行われた。
こうして、冬の時差Bizに向けた取組への機運を高め、第5回快適通勤プロモーション協議会は無事終了した。