株式会社わかばケアセンター
(2021年12月10日インタビュー実施)
自社では子どもをもつ女性従業員が多く、4年程前からテレワークをしたいという声が多くありました。そこでオリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)をきっかけに、経営者の掛け声により2018年11月頃から検討を開始しました。
コロナ禍となる前から、社員からの要望により早い段階から取組の検討を始めたため、社内では概ね好意的に受け入れられたと思います。
2020年6月社内アンケート
人の流れに関する取組――――――――
■コンサルタントに相談し就業規則にテレワークを規定
まずは、東京都が実施する「はじめてテレワーク」に応募しました。
その後、コロナ禍となり、2020年(令和2年)5月頃から本格的にテレワークを開始しました。
コロナ禍での出社率は約50%で、A班、B班に分けて毎日交代で出勤していました。ひとり当たり週に2~3回の出社でした。
訪問介護事業や居宅介護支援事業など、利用者の自宅に訪問する事業部は、訪問先にて事務作業等をテレワークで行うことができましたが、デイサービス事業では施設の利用者様を直接ケアするため実施できませんでした。
テレワークの導入による離職者はありませんでした。
東京都から紹介を受けたコンサルタントに相談をし、就業規則にテレワークに関する項目を追加するなどの変更も行いました。変更にあたっては、従業員の署名が必要になるため、社員全員に内部説明も行いました。説明の際の資料は、コンサルタントの助力を得ながら作成しています。
説明資料の一部
■会議等のオンライン化
以前からオンライン会議の整備を進めており、主に社内会議で活用しています。取引先等の社外との会議は、最初は大変でしたが、行ってみると意外と簡単だったとの声もありました。
足立区や自社の研修、ケアマネージャー協会の会議もオンラインで行っています。
オンラインでの会議は、通信環境により、音声が聞きづらくなることがありましたが、コミュニケーション等での問題は特にありませんでした。
■有給休暇の計画的な取得の促進・実施
自社では有給休暇は冬季と夏季で最低7日取得することになっています。1月1日のみ一斉休業としていますが、訪問しなくてはならない利用者がいるため、完全に休業というわけにはできないのが現状です。
■書類等の電子化
書類等の電子化は、平成30年から実施しています。
申し送りや手順の指示、実施報告書など、訪問関係の資料は電子化が進んでいますが、人事・社内の契約書、雇用契約などの書類関係は電子化できていないのが現状です。
物の流れに関する取組――――――――
当社は、医療・福祉の施設といえども、いわゆるサービス業であり、物流を扱うことはないため、特に取組は実施していません。
東京2020大会を振り返って――――――――
本社がある足立区には競技会場もなく、業務で高速道路も利用しなかったため影響はありませんでした。
物流に関する取組は行いませんでしたが、東京都から提供された情報をもとに、交通渋滞等の影響の有無は確認していました。
今後について――――――――
テレワークについて、A班、B班の体制は残しています。職場の方が、設備が整っているということもあり、テレワークをしたがらない従業員もいますが、制度としては続けていく予定です。計画的な休暇取得の促進についても、今後も継続していきます。
代表取締役 北爪 初江