彌生ヂーゼル工業株式会社
(2021年12月9日インタビュー実施)
自社の営業は、葛西トラックターミナル内で大型トラック・バスの整備を行っており、取引先は大手運送会社を中心としたB to Bの業態となっています。
実際のところ、オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)やコロナ禍によって具体的な取組を検討・計画したわけではないのが正直なところです。
人の流れに関する取組――――――――
■会議・研修・イベント・営業活動等の開催の自粛
自社の営業は、既存取引先(大手運送会社が中心)の車両を引き取り、車検や法令点検の整備後に納車する作業が主となっています。コロナ禍でトラック・バスの稼働台数が減ったためか、結果として営業活動の自粛という形となりました。
社内会議は、月1回開催される程度であるため自粛はしませんでした。
社外研修は、自動車整備業という業務の性格上、オンラインでの実施は難しいのが現状です。以前から参加していた総務関係の講演会等は、オンラインで参加しています。
■業態の壁を越え、時差出勤を事前に試行
自社では、有給休暇を夏季休暇(2日)と年末年始休暇(3日)に計画的に付与しています。
自動車整備というサービス業のため、休暇取得は難しい環境にはありますが、シフト休(月2回)を付与しているほか、有給休暇の取得を促しています。
昨年(2020年)、試験的に1時間早く出社する時差出勤を試行しましたが、やはり業種的になじまず、もとに戻すこととしました。
物の流れに関する取組――――――――
部品調達は別会社が担当しているため、自社として物流の調整を行う必要がなく、特段、計画は立てませんでした。
当該別会社においては、何かしらの取組は行っていたと思われます。
東京2020大会を振り返って――――――――
自社があるエリアは「カヌー競技場」となっていましたが、東京2020大会開催中の交通規制等の影響は特にありませんでした。
むしろ、今後、コロナが緩和された後の東京ディズニーランドの混雑の方が心配でした。
幹線道路等の渋滞がトラックの移動に影響するため、時間をずらしたり、移動ルートを変更したりする等の対応をするしかないと考えていました。
東京都から提供された各種情報は、臨海地区における混雑状況を把握することに役立ちましたが、サイトに掲載されている情報量が多過ぎたため絞り込むのが大変でした。もう少しシンプルな情報内容だと良かったと思います。
東京2020大会を振り返って、人の流れを抑制するためには、要望や依頼ではなく、コロナ禍の時のような、ある程度強制力を持たせていかないと難しいのではないかと思います。
今後について――――――――
人の流れに関する取組については、計画的な休暇の取得は今後も継続していきますが、運送会社は自社の車両が休止しているときに整備を集中させるため、有給休暇の取得率をどう上げていくかが今後の課題となっています。
押印行為に関する電子化も進めていきたいと考えており、今後検討を加速させなければと痛切に感じています。