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インタビュー

凸版印刷株式会社

令和元年度受賞企業インタビュー

スムーズビズ推進大賞 大賞

凸版印刷株式会社
<製造業>

受賞理由

以前からBCM(事業継続マネジメント)に取り組んできた凸版印刷は、東京2020大会を控えた2019年春に、BCM推進部門を中心にしたTDMプロジェクトを立ち上げ、各部門や物流会社との協力体制を構築。同社取引先の東京2020大会に向けての動向調査を実施し、重点的な対応が必要な製品・サービスを抽出。ルート変更・時間変更・便集約などきめ細やかな対応策の検討を始めている。また、人の流れに関しては、労使が一体となり、全部門を巻き込んだ働き方改革を実践し、意識、制度、環境の3つの視点から取組を展開した。

  • ●人の流れに関する取組:オフピークへの取組(働き方改革)、テレワークトライアル
  • ●モノの流れに関する取組:BCM推進部門を中心に物流会社も含めたTDMプロジェクトを編成
  • ●普及啓発に関する取組:ポスター掲示、販売部門への意識付け

取組の詳細についてはこちら

凸版印刷は、「印刷テクノロジー」をベースに、「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」へと事業分野を発展、多角化を図ってきた。日々進化する先端技術を導入すると同時に、BCP(事業継続計画)に対しても早くから意識を高め、東日本大震災より一年前の2010年から「BCM推進プロジェクト」を発足。防災、事業継続に関して取組を行ってきたという。東京2020大会を前にして、BCMおよびTDM対応に早期着手し、オフピーク通勤やテレワークによる働き方改革も進めた同社。その取組の詳細について、情報コミュニケーション事業本部セキュリティ管理本部で担当部長を務める佐藤様、同事業本部総務部係長の林﨑様に話を伺った。

スムーズビズに参加した理由

情報コミュニケーション事業本部 セキュリティ管理本部 セキュリティ管理部
MS推進チーム 担当部長 佐藤 利隆 様
情報コミュニケーション事業本部
セキュリティ管理本部
セキュリティ管理部 MS推進チーム
担当部長 佐藤 利隆 様

BCMについて比較的早期から対策を考え、自社の防災、事業継続のための取組を続けてきた凸版印刷。だが、組織が大きく、部門が多岐にわたることもあり、実は従業員のBCMへの意識は今一つだったという。2019年春、2020東京大会に向けたTDMプロジェクトを立ち上げたこともあり、自社のBCMの取組を社内に広く周知し、社内意識を向上するための啓発活動として、また、取引先、調達先へのPR活動の一環としてスムーズビズに参画した。

また、モノの流れに関する取組だけでなく、人の流れに関する取組についても、「働き方改革」に対する社員の意識向上のために、スムーズビズ参加が追い風になると判断したという。同社は2015年に経営者による働き方改革に関する宣言「タイムマネジメントイノベーション宣言」を発信し、全社的にワークスタイルを見直し始めた。そして、労使にて、施策内容を検討・検証して制度化を推進。タイムマネジメント改革プロジェクトや、ワークスタイル検討委員会を発足させて、全部門を巻き込んだ働き方改革に着手している。

取組に当たり苦労したこと

情報コミュニケーション事業本部 総務部 係長 林﨑 大輔 様
情報コミュニケーション事業本部 総務部
係長 林﨑 大輔 様

モノの流れに関する取組では、既存のBCPに基づいて重点的に対応検討すべき製品・サービスを特定していくとともに、2019年6月には販売部門の営業担当に向けてお客様の動向に関する大規模アンケート調査を実施した。テーマは「東京2020大会での影響について」。約1,200社から回答を得たが、その多くは、「意識はしているが、具体的な取組はしていない」というものだった。更に翌7月には、同社が展開する約300品種に及ぶサービスの中で、特定品種のサービスを提供しているお客様に対して詳細なアンケートを行った。対象となったお客様の案件には、埼玉県内にある同社の工場から都心へ毎日定期的に納品物を発送するというものもある。東京2020大会では交通混雑や規制によって、デリバリーなどに影響が出ることが想定される。

「たとえば、運送便の時間変更は可能かなど具体的な質問もさせていただきました。まだ先の出来事と思われるのかアンケート回答率が少し伸び悩みましたが、殆どのお客様はディテールまで想定されていないものの、大会期間中の運送について危機感をお持ちであることがわかりました」(佐藤担当部長)

人の流れに関する取組では、「経営者による“働き方改革宣言”」に沿って、「労働時間適正化評価制度の導入」や、「柔軟な働き方を実現する勤務制度の導入」「タブレットなどのツール導入やワークプレイスの確保」を軸に展開。スムーズビズ推進期間中には在宅勤務を含む、テレワークのトライアルを実施した。

「情報コミュニケーション事業本部が入っている当オフィスだけでも従業員は3,000人を超えます。同じ括りでのルール作りは難しく、各部門の意見を聞きながら調整していきました」(林﨑係長)

東京2020年大会のレガシーを目指す取組

モノの流れに関しては、今後、取引先アンケート結果に応じて東京2020大会に向けて個別対応を進めていくという同社。しかしその対応は、大会後時だけではなくその先も見据えてい る。「2便に分けていたものを1便に集約すれば、物流コストの削減につながりますし、BCPの観点から、災害などが起こったときの柔軟な対応も提案していきます」(佐藤担当部長)

これまで製造部門では災害に備えた実地訓練を行ってきたが、今後は、販売部門を含めた訓練を実施するという。営業担当がお客様の被害状況や意向を確認し、状況を連絡するのはもちろん、納品物をお届けするか否かの判断をしていく。実施の背景には、スムーズビズに参加し営業担当による大規模アンケートを実施したことで、販売部門のBCM・TDMに関する意識が高まったこともあるだろう。

人の流れに関しても将来を見据えている。モバイルツールは営業、企画部門のほぼ全員に行き渡っている。外部のシェアオフィスとの契約も進めているほか、自社内にシェアリングオフィ スを設置した。

「今後も働き方改革の取組を進めていきます。何かあればどんどん声を上げて欲しいですし、そうした声には可能な限り応えていくつもりです」(林﨑係長)

“BCM”と“タイムマネジメントイノベーション宣言”に取り組む同社は、常に進化し続けることを目指している。

スムーズビズ推進者の声

情報コミュニケーション事業本部 ビジネスイノベーション推進本部 新事業開発部 戦略的ICTチーム 本庄 元 様
情報コミュニケーション事業本部
ビジネスイノベーション推進本部
新事業開発部 戦略的ICTチーム
本庄 元 様

関わった取組

テレワークトライアルで移動時間を有効活用

テレワークトライアルでは、移動時間を有効に使うことができました。外部の方と連携することが多いので頻繁に外出しますが、外出先で少し時間が空いたときなどにテレワークを活用しました。また、在宅勤務も活用することができました。自宅に居ると気が緩みがちですが、モバイルカメラを通じて状況を確認するサポートツールがあったので、自宅でも緊張感を持って仕事を進めることができました。今後はテレワークが正式制度として導入されることを期待しています。
私は現在、脳波デバイス等による人の集中力を可視化する仕組みを活用した事業展開を手掛けています。人はパフォーマンスを充分に発揮できる時間帯や集中していられる時間も決まっており、それは人によって違います。そうした一人ひとりの状態や生活スタイルに合わせた、より効率の良い働き方を提案できないかと考えています。自分の働き方はもちろん、仕事を通じて、世の中の働き方も変えていけたら最高ですね。