ここから本文です。

インタビュー

スムーズビズ推進期間結果公表イベント

令和元年度受賞企業インタビュー

スムーズビズ推進大賞 大賞

東京地下鉄株式会社
<運輸業, 郵便業>

受賞理由

鉄道事業者として混雑緩和、快適通勤のための取組を展開してきた東京地下鉄株式会社。時差Bizには初年度の2017年から参画し、2年連続で時差Biz推進賞を受賞している。今年度はスムーズビズにも参画し、従来の日比谷線、半蔵門線に加え、南北線でも朝の臨時列車を運行するなど、取組をパワーアップさせている。また、スムーズビズ推進期間中は自社社員のテレワーク推進も図り、本社部門での実施に加え、一部現業部門でもトライアルを実施した。更には、役員用社用車の使用を自粛するなど、TDMに関しても積極的な取組を展開し評価された。

  • ●人の流れに関する取組:時差始終業取得の促進、積極的なテレワーク取得の推進、2020年夏に向けた会場最寄駅でのオフピーク施策
  • ●モノの流れに関する取組:自動車の自粛、備品・消耗品の納期の変更等
  • ●普及啓発に関する取組:ポイント進呈キャンペーン、臨時列車の運行、混雑状況の見える化等

取組の詳細についてはこちら

東京都区部を中心に9路線195.0kmの地下鉄を運営し、一日の利用者は約758万人に及ぶ東京地下鉄株式会社では、混雑の見える化や臨時列車の運行を行うほか、オフピークプロジェクトを実施するなど、混雑緩和の取組に注力してきた。東京2020大会を翌年に控えた今年度は、臨時列車の運行本数を増やし、自社社員に時差始終業やテレワーク取得を推進するほか、役員用社用車の使用自粛や備品・消耗品の納品を大会期間中に行わないようにするなど、モノの流れの取組も積極的に展開した。そんな同社の取組について、鉄道本部鉄道統括部計画課 鈴木様、オリンピック・パラリンピック推進室 三森様、人事部労務課 久保田様の3名からそれぞれの立場で話を伺った。

スムーズビズに参加した理由

鉄道本部鉄道統括部計画課 鈴木 恵司 様
鉄道本部鉄道統括部計画課
鈴木 恵司 様

朝の混雑緩和を中心に、快適に鉄道を利用してもらうための取組を進めてきた東京地下鉄株式会社。

「多くの企業が参画することで成果を生み出していく時差Bizには、鉄道事業者として少しでも混雑緩和を推進したいという思いで参画してきました」(鈴木様)

混雑率の高い東西線を中心にキャンペーンなどを実施し、時差Biz推進賞受賞を2年連続で受賞。引き続き取組を進めるに当たって、スムーズビズ参画は自然の流れだったという。東京2020大会本番では、通勤などの日常の利用者に加えて、大会観戦をする方たちも移動するため大きな混雑が予想される。そのための対策として、今年初めてTDMに関する取組も行った。また、自社社員へのテレワークなどの制度の定着に対しても、スムーズビズは大きなメリットがあったという同社。今回のスムーズビズ推進期間を通じて、混雑緩和推進と東京2020大会に向けた準備を着実に進めていった。

取組に当たり苦労したこと

人事部労務課 久保田 愛実 様
人事部労務課
久保田 愛実 様

「混雑の見える化」やリニューアルされた「東西線オフピークプロジェクト」など、これまでに継続や拡充してきた通年の取組に加え、推進期間中には「臨時列車の運行」、「サテライトオフィスサービス」や「朝活レッスン」なども実施。これまでの取組によって関係各所との連携体制が確立されてきており、大きな問題はなく進めることができたという。

自社社員に向けたテレワークに関しては、今年度は更なる推進を図るために一部現業部門でもトライアルを行った。

「職種によっては図面を用いるなどテレワークに不向きな作業があったり、現地に行って仕事をするのが当たり前という文化・風土があったりする中で、いろいろな働き方を進めていく必要性や重要性を、現業職場に足を運んで地道に説明していきました」(久保田様)テレワークの実施により、日々の作業の進め方などの課題も見えてきたという。なお、トライアルを行った一部現業部門での時差始終業に関しては、2020年4月から正式導入が決まっている。

東京2020大会に向けたTDMの取組では、大会時に特に混雑が予想される会場最寄駅で、通勤時間帯や競技開催時間帯前後を対象とした「オフピークプロジェクト」を実施し、具体的に大会をイメージした混雑緩和に取り組んだ。更に自社内で役員用の社用車の使用自粛や、備品・消耗品は大会開催に相当する期間を避けて納品するなどの取組を実施した。「モノの流れに関する取組にも挑戦した甲斐がありました。完璧とまではいきませんでしたが、会社全体で来年に向けての心の準備ができたと感じています。」(三森様)

東京2020年大会のレガシーを目指す取組

オリンピック・パラリンピック推進室 三森 昌貴 様
オリンピック・パラリンピック推進室
三森 昌貴 様

前述の通り、同社路線沿線には複数の東京2020大会の会場がある。まずは、大会の成功には、TDMを効果的に活用し、本番時の人・モノの流れをしっかりと低減させることが必要だという。

「一事業者だけでは、実現できる範囲はどうしても限られます。都が主導するスムーズビズのようなムーブメントを活用し行政や多くの企業と協力して、大会を成功に導いていきたいと思います」(三森様)

東京2020大会に向けた対応はもとより、大会終了後も、時差Bizの取組はしっかりと続けていく。更に自社社員に対しても、「WORK × LIFE SMILE ACTION」をテーマに掲げ、全社的に働き方改革を進め、社員の活力を生み出していくという。さまざまな取組を進めているが、安全・安定輸送を行う鉄道事業者として、決して現状に満足してはいない。鉄道利用者はもちろん、社員の笑顔のための施策を、経営陣を中心に全社員が常に前向きに考え続けている。

スムーズビズ参加者の声

人事部労務課 海住 彩乃 様
人事部労務課
海住 彩乃 様

関わった取組

時差始終業、テレワークを推進するとともに自らも活用

現業部門への「時差始終業」やテレワーク推進を担当しました。各部門と現地で話をしたことで、各部門の状況を知ることができ、今後に向けての課題がわかりました。アンケートからも、「時差始終業を制度化して欲しい」という多くの声に応え、来年から正式制度として導入することになり達成感を感じています。このように社員に推進している立場ですので、自らも率先して活用するようにしました。時差始終業を利用し、趣味であるピアノを弾く時間にあてるなど、仕事の時間とプライベートの時間のメリハリをつけることを心がけました。こうした制度を、今後もより取得しやすいものにしていくためにも、アンテナを高くして、新しい情報や世の中の動きをしっかりとキャッチしていきたいと思っています。