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インタビュー

インタビュー

株式会社ザイマックス

コロナ前と後でサテライトオフィスの利用がどう変わったのか

 コロナ禍で加速した働き方の多様化で、働く場所の選択肢が広がりました。株式会社ザイマックスは、コロナ禍以前の2015年からサテライトオフィス事業を開始、2018年からは「ZXY(ジザイ)」ブランドとして展開し、テレワーク環境の推進を担ってきました。
 コロナ禍前後で変わるサテライトオフィスの利用形態やサービスなどについて、法人営業本部の関戸友香マネジャーとジザイワーク事業部の小倉康平マネジャーに伺いました。

<ジザイワーク事業部の小倉さん、法人営業本部の関戸さん>

ザイマックスについて

 不動産の現場におけるビルメンテナンス業務から経営代行・資産運用まで、不動産運営管理のさまざまな業務をワンストップで行う、総合不動産サービスプロバイダーです。

サテライトオフィスの利用状況

 当初は営業や打合せで外出している際に、資料やメールの確認など空き時間を有効活用できる場を提供したいと考え、事業をスタートしました。
その後、コロナ禍により多くの企業様でテレワークや在宅勤務が浸透し、オンライン会議も普及するなど働き方が大きく変わりました。現在は、社員の生産性やエンゲージメント向上のため、テレワークとオフィスワークを組み合せた働き方である「ハイブリッドワーク」が広がり始めています。
 こうした中、テレワーク時の生産性の維持・向上が企業側の新たな課題となっています。例えば、子育てや介護で働く時間に制限のある人はもちろん、一人暮らしの場合は仕事に適した机椅子が設置できない、共働きでWEB会議が重なるとどちらかが家を出ないといけないなど在宅勤務が難しいケースもあり、「会社まで行かずとも自宅近くの環境が整った場所で集中して働きたい」というニーズが増えてきています。また、出社してもオンライン会議ができる場所が足りないなどの問題も生じています。
 結果として、「安全な環境(=周囲の人に会話内容が聞こえない・PCを置いたまま離席できる等)でWEB会議をしたい」ニーズが多く、1室1室が天井まで区切られていて鍵のかかる完全個室を中心とする「ZXY」が非常に人気になっています。

施設の概要

 「ZXY」は法人会員専用のサテライトオフィスサービスで、完全従量課金制となっています。会員様は全拠点をご利用いただけます。座席はすべて予約制で、会員ユーザーごとに割り当てられた二次元コードにて入退館が可能となっています。1名用個室が中心のファシリティで、仕事に集中しやすい環境を整えています。
 また、一部の拠点では、キッズスペースを設けています。専門スタッフが常駐しており、子どもを見守ってもらいながらご自身は隣のワークスペースでオンライン会議をするといった使い方が可能です。こちらの利用料については、クレジットカードによる個人決済も可能です。

<施設内部の様子>

 テレワークの浸透により、個室の増加、Wi-Fi回線強化などを行いました。
 個室は施錠可能なプライベート空間であること、一定の防音性があり隣に声が漏れ伝わりにくいことから、金融業など厳格な情報管理が求められている業種の方にも安心してご利用いただけております。
 また、コロナ禍でオンライン会議の需要が一気に増えました。利用者が同時にオンライン会議を行うケースも増え、回線の負荷がかかり不安定になるケースも出てきたため、より強固なネットワーク回線にグレードアップ致しました。

サテライトオフィスの拠点

 「ZXY」の首都圏の拠点数は2023年2月20日時点で268となっていますが、現状は都心部・郊外部ともほぼ高稼働となっています。
 稼働率について、都心部はコロナの感染状況や出社制限により、一時期低下したものの、出社率の回復とともに上昇してきています。
 郊外部では、テレワークの定着により、稼働率は高水準で推移しており、拠点の数も増やしています。郊外はオフィスが少ないため、銀行やスーパー、さらにはスポーツクラブといった様々な施設への出店も広げています。こうした施設への出店は、余剰スペースの有効活用にも繋がっています。

<様々な施設への出店>

今後の展望

 引き続き、求められるエリアへの出店は継続していきたいと考えています。出社する方が増えてきたこともあり、郊外だけでなく都心部も含め首都圏で新たに約40拠点以上を新規OPENする計画があります。(※2023年2月時点)
 ザイマックス総合不動産研究所が実施したアンケート(※1)では、コロナ以降65%の企業がワークプレイスを変えたいとの意向を持っており、働く場に関しての関心が非常に高いと感じております。また、経団連の調査(※2)では、社員のエンゲージメントを高める策として一番効果が見られる項目が、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方の推進でした。テレワークができない企業は、就職先の選択肢に入れないという傾向も出てきているようなので、採用力強化や離職防止という意味でも今後は在宅勤務やサテライトワークをうまく活用していくことがスタンダードになっていくのだろうと思います。
 サテライトオフィスを導入いただくことで、従業員の働き方の選択肢が増え、業務内容や状況によって働く場所を選ぶことができ、その結果として生産性やワークライフバランスの向上につながっていくと考えています。当社のサテライトオフィスサービス「ZXY」を通じて、より多くの企業様に柔軟な働き方を推進して頂ければと思います。

※1出典:「大都市圏オフィス需要調査 2022秋②働き方とワークプレイス編」(ザイマックス不動産総合研究所)
https://soken.xymax.co.jp/2022/12/15/2212-office_demand_survey_2022a_2/

※2出典:「2022年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」(日本経済団体連合会)
http://www.keidanren.or.jp/policy/2023/003.pdf