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インタビュー

インタビュー

コクヨ株式会社

働き方・オフィスのあり方について最先端をいく企業

 働き方の多様化にともない、働き方やオフィスのあり方が求められている中、コクヨ株式会社の取組が注目されています。
 これまでも社員の実際に働く現場がみえる「ライブオフィス」などを行ってきましたが、さらなる進化を遂げる同社の取組についてヒューマン&カルチャー本部働き方改革室の新居室長にお聞きしました。

<働き方改革室 新居さん>

ライフスタイルを提案する会社

 当社はキャンパスノートをはじめとする文房具のイメージが強いかもしれませんが、デスクやキャビネットなどオフィス家具も製造しております。我々のビジネス領域はワークスタイルとライフスタイルの2つで構成されており、ライフスタイル領域は文房具やコンシューマー向けのインテリアなどを扱っています。ワークスタイル領域は、オフィス向けの備品の販売やオフィスの在り方やレイアウトなどをご提案したりしています。我々はただモノを作って売っているのではなく、ライフスタイルにおいては暮らしや学びに、ワークスタイルではワークスペースやワークスタイルの価値や質を高めていけるようなものを提供していこうと考えています。パーパスは「わくわくする未来のワークとライフをヨコクする」で、働く・学ぶ・暮らすことに価値を提供して、未来を明るくしたい、明るい未来を少しヨコクできるような会社になりたいと考えています。

社員の働く様子がそのまま見える「ライブオフィス」

 ワークスペースやワークスタイルの価値を高めるために取り組んでいるのが、ライブオフィスです。ライブオフィスはコクヨ社員が実際に働いている場所を見学できるサービスで、オフィスの悩みや困りごとについて実際に見学いただき、課題解決のための様々なご提案をしています。ライブオフィスは1969年から50年以上、いろんな実験を繰り返し、知見を蓄えて様々な情報を発信してきました。
 ライブオフィスは全国に展開しており、一番新しい取組を実施しているのが品川になります。品川ライブオフィスは2021年2月に働き方に関する実証実験を兼ねた事業拠点「THE CAMPUS」として一新しました。本施設はコミュニケーションを図りやすい、集中して業務に取り組めるなどフロアごとにコンセプトを設定し、社員は業務内容と目的に合わせて自由に働く場所を選ぶことができます。また、低層部は一般の方に開放し、カフェや公園などを設置しています。
 ※施設については、こちらもご参照ください。
 ・品川ライブオフィス:https://www.kokuyo-furniture.co.jp/liveoffice/shinagawa/
 ・THE CAMPUS:https://the-campus.net/

※コクヨ(株)提供 
<施設内部の様子>

新しい働き方「コクヨ式ハイブリッドワーク」

 当社はワークスタイルの事業を展開していますので、ライブオフィスを含め、自身の働き方についても様々な取組を行っています。コロナ禍前から柔軟な働きができる環境を整備しており、国内にコロナ感染者が出始めた2020年2月の時点で完全リモートワークへ移行した社員もいました。それから2年間、社員の安全安心を守るため、リモートワークを中心としてきましたが、課題もみえてきました。その一つが若手社員の成長実感が落ち込んでいることで、自分が果たしてスキルアップしているのか、能力を発揮できているのかわからず、周りにも確認できないので、結果、社員が不安になったり、社員同士の関係が希薄になったりしていることが判明しました。他社でもよく聞かれますが、当社でもそのようなコミュニケーションについての課題が顕在化してきたのです。
 そうしたことから22年1月から「コクヨ式ハイブリッドワーク」をはじめました。こちらは、「在宅中心型」、「バランス型」、「オフィス中心型」の3つから四半期ごとに働き方を選択するというものです。選択時は上司やチームとしっかり議論してお互いの働き方をしっかり刷り合わせしたうえで決めるようにしています。ただし、新人社員は1年間完全出社として、業務の流れの把握や人間関係の構築、成長実感が得られるようにしています。

仕事以外のことにもサポート

 働き方のビジョンとして、「Life Based Working®」(略してLBW)を掲げています。働くという行為はその人の豊かな人生に資するためにあり、自分らしい働き方や学び方、暮らし方を社員一人一人が実現できていることを目標にしています。社員へのアンケートによると、柔軟な働き方により、自身の中でwillが芽生えることとチャレンジ精神が増加してきたことがわかりました。こうした働き方によって、可処分時間が増え、その時間を語学や資格取得の勉強、家族・友人との時間、趣味の時間などなんでもいいのですが、ご自身の成長に繋がるインプットに充てて、結果、その人の人生の質を高めることができればいいなと思っています。
 また、こうした社員の成長を促すことに会社もサポートしたくて、自社のスペースを貸すといったことも始めました。下北沢駅近くにサテライト型の社員向け多目的スペース「n.5(エヌテンゴ)」を開設したのですが、こちらは通常業務に加え、業務時間外や休日の私的な目的での利用、また家族や友人の同伴も可能としています。この施設を利用して、例えば、絵が趣味な人が個展を開いたり、英会話の指導に利用できるようにしています。
 ほかにも、福利厚生でウォーキングチャレンジといった取組も行ったのですが、想像以上の参加者で、社員同士が競い合うかのように歩いていました(笑)。LBW実現のため会社が社員の可処分時間を有効活用できるような後押しをしていく姿勢もこれから必要になってくると思います。

※撮影:千葉顕弥 
<n.5(エヌテンゴ)内部の様子>

「働く・暮らす・学ぶ」未来を提案し続ける

 多様な企業様からオフィスに関する様々な相談を受けるのですが、一番多いのが出社しなくても良い働き方になったことで、余った空間をどう活用するかというものです。今までやっていた仕事がオフィス以外でもできるからこそ、今後は人と人とが繋がり続けることにオフィスを使うべきだと考えます。人と人との繋がりをつくることは、会社や社会と繋がり続けることでもあります。コクヨとしてはその方向に舵をきらないと、今の時代は競争に勝てません。なぜなら、若いZ世代を中心に職業選択の幅は増えて転職のハードルも低くなっているので、会社に所属することに対する満足度を提供しないと競争力が落ちるからです。
 そのためにも、まずは我々自身が会社の中で思いっきりチャレンジングなことをやって、どんな未来があるのかということを見定めていきたいと思っています。パーパスである「わくわくする未来のワークとライフをヨコクする」ためにこれからも様々な取組を進めていきます。