株式会社レコモット
ハイブリッドワークはリモートとオフィスの良いとこどり
社会状況がコロナ禍前に戻りつつある中、多くの企業で新しい働き方について、日々模索されています。
そのような中、株式会社レコモットでは、リモートワークとオフィスワークを合わせたハイブリッドワークを推進、実践しています。「ハイブリッドワークはオフィスとリモートのいいとこどり」とおっしゃる代表取締役CEOの東郷さんと経営管理部副部長の小野原さんに取組についてお伺いました。
誰もが「あなたらしさ」を制約なく実現できる場所を提供する会社
株式会社レコモットは2005年に設立しました。設立当初から時間と場所を選ばない働き方に着目し、モバイルビジネスを中心に事業を展開しています。設立当時は、いわゆるガラパゴス携帯電話の時代であり、最初はそれらに向けたサービスを展開していましたが、スマートフォンの登場により当社の事業もそちらにシフトしました。最近ではPC向けのサービスも提供しています。
現在展開している主な商品は、「moconavi(モコナビ)」という名称で、社給かBYODかを問わず、端末にデータを残さないセキュアなテレワーク環境を提供するリモートアクセスサービスを展開しています。
※「moconavi」については、下記をご参照ください。
https://recomot.co.jp/service/
当社は昨年、会社のビジョンを「Envision Your Style 誰もが「Your Style」を制約なく実現できる社会」に見直し、こうした社会の実現のため、テクノロジーで様々なコミュニケーションハブを作ることをミッションに掲げています。また、日々の行動指針であるバリューは、「Fun to try.(変化を愉しみ、まずやってみる!)」「Take initiative.(誰かではなく、自分が動く!)」「Beyond the team.(チームを超えて、違いを生み出す!)」の3つとなっており、社員自らが作成し、高い目標をもって業務に取り組んでいます。
「イイトコ取り」した働き方ハイブリッドワークを推奨
当社では、設立当初からフルフレックスを導入していました。また、コロナ禍以前から申請によりリモートワークもできるようになっていました。
しかし、コロナ禍により出社を控える必要があったことを機に、リモートワークを軸として、オフィスへの出勤は週1回程度にするなど制度を大きく変えました。リモートワークやBYOD、ファシリティなどリモートワークを行う際に必要な費用を手当として支給しています。リモートワークの推進により、社員のワークライフバランスが向上しましたし、社員からも集中する作業において、効率が上がったという声も聴きます。また、人材確保の点からもリモートワークは有効で、当社でもコロナ禍後も国内・海外問わず様々な人材を確保することができています。
一方、リモートワークが浸透すると、課題も見えてきました。1つ目はコミュニケーションで、オンライン会議が浸透していますが、やはり、直接会って話した方が感覚や感情が直接伝わり、会話も弾みます。2つ目は、メンタルヘルスの面で、リモートワーク全盛の時には、周囲との関わりが少なく孤独感を感じメンタルの不調から体調を崩したメンバーもいました。こうした課題を踏まえ、対面でのコミュケーションも大事で、リモートワークのみでなく、オフィスも必要であると考えています。
これらの課題を解決する方法として、当社ではリモートとオフィスを組合せたハイブリッドワークを実践し、推進しています。ハイブリッドワークはリモートとオフィスの良いところを組合せているもので、各々にあった働き方を選択できるのが最大の強みだと思います。
ハイブリッドワーク推進のためには、システムやワークフローなど環境をまず整えることが重要です。また、リアルなワークプレイスであるオフィスも改修し、オンライン会議用のスペースやコミュニケーションをとりやすい場を設置するなど、オフィスに来ても働きやすい環境となるようにしています。
社員自ら課題に向き合う
どの会社も同じだと思いますが、当社でもリモートワークの推進により、コミュニケーションが課題となりました。こうした課題に対応するために設置したのがコミュニケーションタスクフォースです。
本タスクフォースは、部署ごとの若手を中心に7人程度のメンバーで構成して、ボトムアップで業務内外でのコミュニケーション改善に向けた施策の検討に取り組むものです。経営会議に上げて会社の正式な施策として実行させたことと、人事担当ではなく、現場の社員が主導で解決方策の検討を進めさせたことが特徴です。
その結果として生まれたのがプロフィール帳や掲示板、様々なイベントの開催です。
プロフィール帳には趣味や経歴、働き方などが記載され、全社員が見られるような仕組みとなっています。掲示板については、業務で聞きたいことはもちろん、ペットやグルメ情報などを雑談できるものもあります。イベントについては、全員が同じ食事を注文し、バーチャル上で懇親会を行ったり、メンバーとリーダーでランチや飲み会を行った際、会社が負担する制度をつくったりと、様々な仕組みや制度をつくりました。
コミュニケーションを図るために重要だと考えているのが、情報共有と透明性です。先ほど紹介した取組もそうですが、その他にも、マンスリーミーティングで経営状況などについて話すようにしています。また、トップ自らも積極的に発信しており、新たに入社したメンバーとランチでコミュニケーションを図ったり、CEOの思いを伝える場として毎月開催しているマンスリーミーティングでは、仕事の話だけでなく東郷のプライベートな一面も話していたりします。分報と呼んでいる掲示板も随時確認しており、気になったものには「いいね」をするなど社員とコミュニケーションを図るようにしています。
その他、リーダーとメンバーの1on1ミーティングを制度として取り入れており、各チームで定期的に実施しています。やり方はそれぞれで、チームによって毎朝ミーティングを行ったり、出社日に合わせて実施したりしています。
良いアイディアはどんどん取り入れる
働き方において、開始当初は一気に変えたこともあり、様々な課題が発生しました。しかし、社員が自ら足りない点に気づき、アイディアを出し合いながら改善を積み重ねていった結果、上手くまわるようになりました。当社では、従前より、商品を開発したとき、ドッグフーディングを徹底して行っており、これが、リモートワークの推進にも役に立ったと考えています。
リモートワークにおいては、自分を律することが必要です。自由をとらえ違えてしまうと、自分勝手になってしまい周囲と協働して成果を出すことは難しくなります。そのため、行動指針やビジョンをしっかりと定め、社員に浸透させていく事が重要です。その上で、各々にあった働き方を選択できるように環境を整備していく事が求められると考えます。
コロナ禍が落ち着いても、今の働き方を継続していきたいと思いますし、課題が発生した時は社員と一体となって解決に向け、取り組んでいきたいと思います。