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インタビュー

東京2020大会期間中のTDMの取組等に関するインタビュー

帝人株式会社

(2021年12月8日インタビュー実施)

 オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)の開催やコロナ禍とは関係なく、以前から多様な働き方を会社として促進していました。

 以前は、育児や介護等の特別な事情がある場合のみ認めていた在宅勤務制度を、社員全員が利用可能なテレワークに拡大していくため、2017年から検討・準備を始めました。

人の流れに関する取組――――――――

■新型コロナウイルスの感染症対策として出社を制限、テレワークを促進

 会社全体としてテレワークの取組を始めたのは2019年からでした。しかし当時は出社して仕事をするのが当たり前という風潮があり、取組を始めたばかりの頃は、テレワークを利用する社員は殆どいませんでした。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年4月には全社的に出社を制限し、ピーク時の東京本社の出社率は2%まで低減しました。なお、現在の出社率は30%程度となっています。

■従前より多様な働き方の取組として促進、自宅以外でもテレワークができる場所を確保

 多様な働き方の一環として、2019年のテレワーク制度導入時よりサテライトオフィスを設置していました。ZXYを運営する株式会社ザイマックス及び東急株式会社の2社とサテライトオフィスサービスを契約するなどして、100ヵ所程のサテライトオフィスを確保しました。

 また、社宅の空き部屋にネットワーク等を整備し、オフィスに改造する等の措置も講じました

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務を推奨する流れとなりました。また、サテライトオフィスを利用する社員に偏りがあったため、2021年春以降は基本的に在宅勤務のみとし、出張・外出時のタッチダウン時やどうしても在宅勤務ができない場合のみ、サテライトオフィスを利用可能としました。

■夏季休暇を含む有給休暇の計画的な取得の促進・実施

 自社では、1990年代から、7~9月の間に連続5日間を含む、まとまった休暇取得を推奨するリフレッシュ休暇制度があります。

 2020年は、東京2020大会が開催されることを前提に、大会期間中の休暇推奨日数を多く設定し、例年の2.5倍としました。極力、大会期間中に休暇を取得してもらい、出社率を減らすことを目的としていましたが、東京2020大会が延期となったため、あまり意味のない措置となってしまいました。

物の流れに関する取組――――――――

■リスク回避のため事前に取引先等との調整を実施

 物流が止まるリスクを避けるため、発注時期を調整し、前倒し・後ろ倒し等を行いました。

東京2020大会を振り返って――――――――

 2021年にも、大会期間中の休暇推奨日数を通常の2.5倍とする取組を検討しましたが、東京2020大会が無観客開催となり、ほぼ人流に影響を及ぼさないことが想定されたため、実施しませんでした。

 交通規制等が上手くいったことで首都高でも大渋滞はなく、物流が滞ることはありませんでした。

今後について――――――――

 人の流れに関する取組について、テレワーク等は、もともと多様な働き方として全社的に促進していた取組であるため、今後もコロナ禍や大きなイベントの開催とは関係なく、進めていく方針です。

 物の流れについても、今後、大きなイベントが開催される際や災害時など、人流の増加や交通渋滞等によりリスクが想定される場合には、その都度対策を講じて対応していきます。