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インタビュー

東京2020大会期間中のTDMの取組等に関するインタビュー

株式会社東陽

(2021年12月10日インタビュー実施)

 自社は、観光バス等の運送業であるため、オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)の開催を見込み、2018年頃から人流増加や交通規制への対策を含め、バスによる大規模な観戦客の送迎等の準備を進めていました。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京2020大会が延期、また、無観客開催となったため、それらは全て中止することにしました。

 また、東京2020大会の準備と合わせて、新型コロナウイルスの感染リスク軽減のための対策を検討しました。

人の流れに関する取組――――――――

■営業活動等の自粛

 自社では、東京2020大会期間中は送迎バス等を延べ100台程度運行させる予定で、2020年の時点でドライバーも確保していました。しかし、東京2020大会が延期となり、バスの運行がなくなったため、予定していたドライバーのシフトもなくなってしまいました。このため、政府に休業申請を行い、助成金によってドライバーの人件費を補填しました。

 延期となった2021年も、送迎バス等を延べ100台程度運行できるよう準備をし、ドライバーの確保を行っていましたが、無観客開催となったため、2020年と同様に休業申請を行い、助成金で人件費を補填しました。

■新型コロナウイルス感染症対策として勤務体系を変更

 新型コロナウイルスの感染リスクを軽減するため、以前は事務所に3人常駐していた「運行管理者」を1名とし、ローテーションを組んで1名ずつ交代で管理するという手法を取りました。

 また、バスのドライバーについても、以前は全員、定時の9時出勤が義務付けられていましたが、事務所内の密集状態を解消するため、各々が担当するバスの出庫時間の1時間前に出社するよう規則を変更しました。

物の流れに関する取組――――――――

■東京都からの情報をもとに運行ルートを作成

 東京2020大会の観戦者等を対象としたバスの運行は中止となりましたが、通常のバスの運行については、個別コンサルティングや東京都のホームページ等での交通規制の情報を入手し、改めて運行ルートを作成しました。

東京2020大会を振り返って――――――――

 個別コンサルティングにより、事前に交通規制がかかる箇所を確認できました。また、東京都のホームページでも交通規制に関する情報が公開されているなど、多くの情報発信があったため、東京2020大会時もスムーズな運行ができたと思います。

 しかし、東京2020大会の開会式、及び閉会式の際には晴海大橋が封鎖されているという情報は、個別コンサルティングの際には知らされていませんでした。晴海大橋は、弊社が運行しているシャトルバスのルートにあり、当日に封鎖されていることを知ったため、急遽ルートを変更することになりました。今後は、より細やかな情報発信を望みます。

今後について――――――――

 新型コロナウイルス感染症の対策として始めた運行管理者の常駐人数、及びドライバーの出勤時間については、今後も継続していく方針です。

 東京2020大会のような大きなイベントがある際には、今回と同様、交通規制箇所の情報を予め取得し、運行ルートを決定していきたいと思います。