ここから本文です。

インタビュー

インタビュー

TDMテレワーク実行委員会

TDMテレワーク実行委員会による合同体験会

TDMテレワーク実行委員会は、2019年7月に、都心にオフィスを構える企業23社で発足した委員会(事務局:アステリア株式会社)で、同年夏のスムーズビズ推進期間中の取組について、スムーズビズ推進大賞の推進賞も受賞しています(受賞企業インタビューはこちら)。

冬のスムーズビズ実践期間中(2020年1月14日~31日)の1月27日の午後に、TDMテレワーク実行委員会により、約30社が参加したテレワークの合同体験会が開催されました。企業インタビューの特別編として、体験会の様子をレポートします。

30社合同の「テレワーク体験会」

テレワーク体験会の様子


月齢11カ月(当時)のお子さんを連れてテレワークをされていた株式会社mofmofの採用・広報担当の高梨杏奈さんに話をうかがいました。


株式会社mofmofの採用・広報担当の高梨杏奈さん
株式会社mofmofの採用・広報担当の高梨杏奈さん

「ソフトウェア開発のベンチャー企業で働いており、私が産育休取得の第1号になります。4月からの保育園入園に合わせてフルタイムで復帰する予定ですが、現在は、半育休のような形でテレワークも駆使しながら仕事をしています。

週に1回程度は、子どもを連れて出社し仕事をしています。泣いてしまうこともありますが、適宜世話をし、寝ている時間などに集中して仕事に取り組んでいます。外出し、様々な人と触れ合うことは、子どもにとっても良い刺激になっているようです。

子連れで働くことは通勤・準備など大変な面もありますが、会社の協力もあり比較的スムーズに仕事ができています。復帰したくとも預けられる場所がないといった方も多くいらっしゃり、ニーズはあると思うので、こういった取組をきっかけに広まってほしいと思います。」

テレワークの導入のコツなどに関する意見交換

アステリア社の広報・IR室室長の長沼史宏氏
アステリア社の広報・IR室室長の長沼史宏氏

16時には体験会が終了し、実行委員会の事務局であるアステリア社の広報・IR室室長の長沼史宏氏から、テレワークの導入ノウハウに関するレクチャーなどがありました。テレワークが社会に広く浸透することが、都心の交通混雑の緩和に重要との認識を示した上で、企業がテレワークを導入する際のコツについて、次のように話しました。


「まず、テレワークは休みの一種ではありません。テレワークの相談を受けると、『テレワークできる部署とできない部署があり、不公平が生じる』という意見を耳にします。これは、テレワークができる人は楽をしている人、という考えの表れです。テレワークに成功している会社に、『家で仕事している=楽をしている』という発想はありません。家にいても仕事をしているのです。」

「次に、マネージャーが見えない場所で働く部下をマネジメントできるかどうか。フリーランスや海外の人をマネジメントする場合があることを想定すると、マネージャーの役割が変わってくるのは当然のことです。会社で働く時間ではなく、アウトプット、成果物を見て、仕事の評価ができる力が必要になってきます。」

「そして、テレワークは、実験を繰り返すことによって、その企業に合った導入形態が見えてきます。強制的に、『この日はテレワークをします』として実験を繰り返すことをお勧めします。可能なら、全社規模ですることが望ましいです。アステリアでは、東日本大震災以後、月一日は必ずテレワークをしてきました。そうした実験を経て、今ではいつでも誰でもテレワークができるようになりました。」


参加者からも意見がありましたので、いくつかご紹介します。

「弊社の出社は必要な時だけで、基本的に出社はしません。自宅かその他の場所で仕事をしています。テレワークについて企業様、自治体様から相談を受けると『さぼらないんですか』と尋ねられます。私たちは、オフィスでPCに向かっているのが仕事ではないと考えています。個々人がそれぞれの業務で出した成果を本人の評価としています。オフィスにいるか、いないかは関係ありません。

ですから、社員との信頼関係はとても重要です。性善説がベースです。全員がテレワーク可能なためオフィスを縮小した結果、賃料が安くなったこともあり、テレワーク手当を社員に支給しています。社員を信頼し、一人ひとりがプロフェッショナルとして働きやすい環境を自分でつくるためのものです。」

「社員の約20%が週1回程度テレワークを行っています。出社することにより、すぐにコミュニケーションが取れるというメリットもありますが、集中して仕事ができる環境を作るため、テレワークを週2回程度にしたいと考えています。エンジニアは自宅の方が、仕事がはかどると言っています。会社だと、他部署から声をかけられることが多く、その都度仕事が止まってしまうからだそうです。」


このような発言を受けて長沼氏は、「テレワークは、多様な社会づくりの受け皿として有用です。これまでは介護、子育てなどの家庭の事情で離職せざるを得ない方も少なくなかったと思います。しかし、テレワークによって優秀で貴重な人材を企業に残したり、受け入れたりすることにつながるのは、とても意義深いことになる可能性が高いです。」と結びました。


また、中国での新型コロナウイルスの拡大を踏まえ(注:2020年1月27日当時)、感染症対策としてのテレワークについても、各社の対応状況などを紹介したうえで「あらかじめテレワークできる環境と体制を作っておくことは重要であり、今回のような感染症発生時や、災害や鉄道の計画運休時のBCP(事業継続計画)としても有効です。」と発言し、体験会は終了となりました。

体験会終了後には、委員会の参加企業が大会時に予定している秋田県仙北市でのワーケーションについて、市の担当者とのテレビ会議が行われました。

感染防止に向けた「緊急テレワーク相談会」と子どもと上手に働くための提言

その後、新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークに取り組む企業が増える中で、学校休校を受け、2020年3月10日には、「緊急テレワーク相談会」が開催されました。

緊急テレワーク相談会の様子
緊急テレワーク相談会の様子

約半数がオンライン参加の相談会では、参加者から、自社の感染症対策としてのテレワークの取組状況について報告がありました。特に、学校休校による影響・対応状況などについての報告が多かったほか、チャットツールを活用したオンラインでのコミュニケーション活性化の事例(オンライン飲み会の紹介あり)や、採用面接をオンラインで実施している事例などの紹介がありました。

また、子どもが在宅している環境でのテレワークの課題や対策について、各社でのヒアリング状況などを踏まえたディスカッションが行われました。参加者のお子さんもオンラインで登場して発言し、家庭内で長時間過ごす中でお互いにストレスをためないためのアイデアや、仕事上の機密事項に配慮する必要性などについて意見が交わされました。そして、子どもと上手に働くための「3つの提言」がまとめられて、相談会は終了しました。


子供とのテレワークについての提言
子供とのテレワークについての提言


TDMテレワーク実行委員会は、相談会の翌日3月11日には、テレワークに関する相談を受け付ける相談窓口(tdm@asteria.com)を開設し、各社における混乱のないテレワークの運営と実践につなげる啓発活動を今後も展開していくとのことです。

当日は多くのマスコミも取材していましたが、テレワークの社会への定着に向けたTDMテレワーク実行委員会の取組は、引き続き注目されることでしょう。

TDMテレワーク実行委員会Webサイト:https://www.facebook.com/TDMtelework/